ESGは未財務

「経済/金融」のドライバーによる「未財務情報」としての「自然資本」加速

「ネイチャー・ポジティブ」が単なる理想論やアイデアで留まらず、ビジネスの世界で大きく注目され始めた理由が、「経済」「金融」との関りなのです。お金が関わったとたんに、世界は本気で動き始めます。ESG投資において、脱炭素マネーが、企業や社会の流れを加速させたのと同じ事態が生物多様性の分野でも始まりつつあるのです。先述の、G7サミットでも、ネイチャー・ポジティブ実現に向けた柱の一つとして、自然への投資やネイチャー・ポジティブ経済の促進が掲げられました。

今さらかもしれませんが、ここでいったん、なぜ生物多様性の属する「自然資本」がESG経営において重視され始めているのかを確認してみましょう。ちなみに、「自然資本」は水や大気など、非生物が含まれている点で「生物多様性」よりも広い概念ですが、命の営みの場を支える生態系という意味では事実上、生物多様性と表裏一体の関係といえます。

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